Short Story…





Short Story No 41
ラブレター



好きな人がいた。
相手は、同じクラスの男の子。

渡したいものがあった。
伝えたい言葉があった。

でも、今じゃ、渡すことも、伝えることも出来ない。

ずっと、後悔してた。
早く告白するべきだったって。

見つめるだけで満足だから。

なんて、友達にはそう言ってたけど、本当は違う。

もっと話がしたかった。
隣にいたかった。
下校の時だけでもいい。
一緒に、歩きたかった。

でも、もう出来ない。

事故に遭ったなんて、悲しすぎる。
死んでしまったなんて嘘みたい。

もっと早く、何回その言葉を、繰り返しただろう。
そうすれば、結果も変わってたかもしれないのに。

机の引き出しの中に入れた手紙。
今じゃ、もう、何の意味もない。


今の私の体は、透明で、その手紙に触れることさえできないから。




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