Short Story…





Short Story No 47
サプライズパーティ



彼と付き合いだして、まだ一ヶ月。
そんな彼が、私の誕生日に、サプライズパーティを開いてくれた。
冷静で、現実主義の私だったけど、本当にびっくりした。

今まで生きてきた中で、初めての経験。

仕事が終わって、友達に電話して、コンビニで雑誌買って、
家のドアを開けると、うっすらと甘い香りが出迎えてくれた。
なんだろうと思って、部屋に入ろうとすると
突然の破裂音。しかも三回くらい。

正直心臓が止まるかと思った。
その音と同時に、電灯がついて、クラッカーの音だって、
ようやくわかったんだけど。

最初、嬉しいとかそんな感情より、やっぱり驚きの方が強かった。
誰でもそうだと思う。どうなんだろ?
純粋に嬉しいって思う人も多いのかな?

明るくなった私の部屋に、彼が座ってた。
部屋には飾りつけがしてあって、壁には私の好きなキャラクターが、
これでもかってくらいに貼られてた。
テーブルの上には、苺がたくさん乗ったバースデーケーキ。
ロウソクも、ちゃんと私の年の数だけ刺さってる。

あと、どこで買ってきたのか、そのケーキの周りに、
日頃食べないような料理が何品も、私の小さなテーブルの上に置かれてた。


「今日誕生日だよね?おめでとう。驚いた?」


子供みたいに純粋な、屈託の無い笑顔で彼が言う。
準備するのにも大変だったって言ってたかな。
彼の座るすぐ後のベットの上には、彼のバックと、鍵、そして私へのプレゼント。
リボンがかかった袋に、ブランド名が書かれてた。
料理を眺めるフリしてたけど、色々気になって仕方なかった。

私は海外ドラマとか好きだったから、こんなパーティに憧れてたけど、
やっぱりこんなパーティは嬉しい半面、もういいかな。

袋の中身は、箱が入ってあった。中身はネックレス。
指輪かな?と少し期待したけど、
指のサイズなんて知ってるはずないよね。

嬉しいって感じるけど、不満な部分も多かった。
聞きたいことはいくつもあったけど聞けなかった。

このケーキ、どこで買ったの?とか。
このネックレス、いくらだった?とか。
いつから計画考えてたの?とか。
どうして、私の好きな食べ物、知ってるの?とか。
どうして、私の誕生日、知ってるの?とか。
どうやって、この部屋に入ったの?とか。




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