Short Story…





Short Story No 54
確率



自分の人生を、何かに託す。
それぞれ、大なり小なり様々だけど、
何かに自分の想いを託したことは、誰だって
一度や二度は、きっとあるはずだと思う。

儲かれば良いなと、株を買ったり、
想いが伝わるのを願って片思いの相手にメールしたり、
将来を考え、大学を選んだり、
想いも、その結果も様々だろう。

昔の代表的なものでいえば、花占いなんてのが
有名なんじゃないかと思う。
花びらを一枚ずつちぎりながら好き、嫌いなんて占っていくやつ。

悩みがあった。
悩んでも、どうしようもないことはよくわかっている。
花占いをしたくても、残念ながら、今、近くに花は咲いていない。

机の上にある、筆箱と、ケシゴム。
少し考え、サイコロを作り、その出た目で、結果を決めみようかと思った。

机の中から、ノートと、カッターナイフを取り出す。
カッターで、ケシゴムの角の部分を垂直に切り、四角形作ると、
本物のサイコロのように黒と赤のペンで丸を書きこみ。
小さな、サイコロを作った。
ノートの1ページを丁寧に切り取ると、数字と結果を書きこむ。



1、生きる。
2、死ぬ。
3、生きる。
4、死ぬ。
5、生きる価値がある人間。
6、死んだ方がいい人間。



緊張しながら、自作のサイコロを振る。
サイコロは、何度か机でバウンドし転がる。
出た数字は、6。
自虐的に笑った。

最初は冗談でやってるつもりだった。
5が出れば良いと。
だから、落ち込んだ。

で、また、やってみたんだ。
更に落ち込む結果になった。
懲りずにまた、サイコロを振り続ける。
俺、死んだ方がいいのかな。

結果は全て6。
何十回もやったのに。



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