Short Story…





Short Story No 78
小さな不幸



運が悪いと思ったことはないか?

俺は、よくある。
もちろん不運、不幸だけじゃなく、
幸運な時ってのも、たまにある。

その多くは些細なもの。何かが当たったとか、その程度。
そんな小さな幸運、幸福。

もしかしたら、自分が気付かないだけで、本当はもっと
多くの幸運を経験したのかもしれない。
享受したのかもしれない。

学校に行く時、いつも通る道じゃなく、なんとなく、別の道を通ってみた。
いつもの道を歩いていたら、事故に遭ってた。
飛行機や電車に乗り遅れたばかりに、命拾いした。
そんな話もあるかもしれない。

幸運は、意外に身近なものかもしれない。
目に、見えないだけで。
自分じゃ気がつかないだけで。

だが、不運、不幸ってのは、目に見える。
そして幸運とは違い、すぐにわかるものが多い。
そして、不幸は重なる。

泣きっ面に蜂なんて諺もあるが、本当にその通り。
まぁ、人生において、重大な不幸なんて、そう何回も
あるわけじゃないから、小さな不幸、不運を経験することになる。

何度も小さな不幸が続けば、誰でもついてないなと感じる。
運が悪いな、自分は不運だと思うだろう。

最近ちょっとした小さな不幸が続くから
運勢を調べてみた。
低運期なんだとさ。くだらない。
通りで小さな不幸が続くと思った。

自転車が盗まれ、車に傷を付けられ、何も無いところで転び、
変な虫に刺される、恋人は治らない病気、友達は暴行を受け。
両親は借金苦でノイローゼ、姉が恋人に捨てられ自殺。
全て、この一週間で起きた出来事。
本当に、小さな不幸ってのは、重なるものだな。

忘れてた。重大な不幸も一つあった。
俺の愛用のノートパソコンが壊れたんだ。
あの時は、本当に、自分は不運だと思ったよ。



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