Short Story…





Short Story No 100
初恋



ずっと前から、好意を持っていた。
そのきっかけはや、いつから好意をもったかは、もう忘れてしまった。
僕らは、昔から一緒で、多くの時間を共有してた。

知らず知らずの初恋。
打ち明けたい気持ちと、拒絶されたくないという気持ち。
何年も悩み、葛藤し続け、少し前に告白した。

ずっと前から、好きだった。今以上の関係になりたい。
そう告げた僕に、彼女は優しく微笑んでくれた。

長年の初恋は実り、僕らは付き合うことになった。
あの日以上の幸せを感じたことは、ない。

僕らは同じ高校に通ってる。
僕は高3で、彼女は高1.
友人に、奇異の目で見られるのが嫌だったから、
自慢したい気持ちもあったけど、ひた隠しにしてきた。

秘密の付き合いは続いていく。
特に何の問題もなく、順調だった。

初恋は実らないってよく言われる。
だけど、このままずっと、付き合っていけると思っていた。
だけど、そううまくはいかなかった。


彼女が妊娠した。


高校生の僕らには、どうしたらいいか分からなかった。
2人とも、両親にだけは、知られたくなかった。
食事も喉を通らず、お互い不安で夜も眠れない日が続いた。

このまま、隠してはおけない。
悩んだ末、僕は、両親に打ち明けた。
両親は反対し、まともに取り合ってはくれなかった。
父は激昂し、事情を聞く前に、僕を殴りつけた。
罵声を浴びせられ、お前は人間の屑だと言われた。

本気で、愛してるんだよ。と、そう言う僕を、
目の敵のように、父は、僕を蹴った。
彼女は、泣きながら父の足にしがみつき、もうやめてと懇願した。
父は、彼女をも平手打ちし、また僕を、蹴る。
苦しくて、悔しくて、涙が出た。

どうして、兄妹で付き合っちゃいけないんだろう。
別に、兄妹が付き合ったからって、
誰に迷惑を、かけるわけでもないのに。



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