Short Story…





Short Story No 128
病人



喉が、渇く。

僕は今日も薬を飲む。
僕は病気らしいから。

飲んでしばらくすると、頭がボーっとする。
ぼんやりと倦怠感が襲ってきて、ゆらゆらする。
食欲もないし、ただただ眠い。
何かをしたいって思わないし、することもない。

でも、いいんだ。
だって僕は、病人だから。

運ばれてくる食べたくもない食事を、
味も風情の欠片もない薄味の食事を食べる。
ただ、命を繋ぐためだけに。
ただただ暇な時間をもてあまし、惰眠を貪る。
本も読むのも、映画を見るのも、外出も全部億劫で、
ベットから起き上がるのは、トイレくらい。
体重も随分増えてきた。

もう落ち込むことはないし、
もう死にたいとも思わないけど、
そんなこと、もう、どうでもいい。
考えるのも面倒だし、僕は天井を見つめてる。
そのうちに眠くなってくるから。
もう、それでいいんだ。

僕は今日も薬を飲む。
僕は病気らしいから。

でも、これって本当に薬なんだろうか?
ねぇ、僕は本当に病気だったんだろうか?



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