Short Story…





Short Story No 132
年下



私の方が、絶対カワイイ。
なのに、どうしてあの人は、私と別れてあの子と付き合ってるの?

私は、別に太ってるわけじゃない。
平均よりも随分軽い方だと思う。
同じ大学の友達からも、もう少し太った方がいいよなんて、
冗談交じりで言われるし、自分でも、そうかなと思ってる。

でも、あの子は私より、痩せてる。
それが気に入らない。

あの人と一緒に歩いてる所を、何度か見ただけだし、
正確な体重はわからないけど、多分、私より20kgは痩せてるはず。

ねぇ、教えて、あんな子のどこがいいの。
小さくて、痩せてて、ただ若いってだけでしょ?
服装だって、ギャルなのに髪真っ黒。
全然似合ってないじゃない。

でも、あの子は私より、目が大きい。
それが癇に障る。

誰かに相談したいし、愚痴とか聞いてほしいけど、相談できない。
私の友達は、あの人とゼミ同じだから暴露されても困るし、

なにより恥ずかしい。
あんな生意気そうな年下の女に、負けたなんて思われたくないし。

私の方が、絶対カワイイのに。
私達の方が、絶対相性良いのに。
私、もっと痩せてるし、もっと目、大きくしてもいいよ。

ねぇ、教えてよ、あんな子のどこがいいの。
おかしい、絶対おかしいよ。
若い子に目が眩んだってだけでしょ?
あの子、頭悪そうだし、勉強だって絶対できないよ。
それにまだ小学生じゃない。



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