Short Story…





Short Story No 135
常識人



最近常識がねぇ奴が増えてさ、ホントむかつくんだよね。
あの女、俺のケータイ勝手に見て勝手にキレてんの。
ありえなくねぇ?普通さ、逆に、なに勝手に人のケータイ見てんの?
って俺がキレるとこだろ。

付き合ってようが、付き合ってなかろうがさ、そんなの問題じゃねぇの。
プライバシーってモンがあるだろ。
自分だってケータイこっそり見られたとしたら、
やましいことがなくても嫌だろうしさぁ、
それに、すげーむかつくと思うんだよね。
なのに、こっちの気持ちも考えずに、
この女誰よ。とか、こんな人知らない。とか、
このメール怪しい。とか、浮気してるでしょ。とか、
マジで、ギャーギャーうるせぇんだよ。
こちは何もしてないってのに、勝手に勘ぐりやがってさ、ホント参るよ。
そうしてそこまで疑われなきゃいけねぇんだ?
常識がある奴なら、そんなことしないよな?
そう思わねぇ?

かなりイラっとしたけど、まぁ、そこまではいいんだよ。
心配したんだろうし、不安になったんだろうからさ。
でも、俺もむかついてるからさ、思いっきりシカトしてたんだよ。
男って口じゃ、女に敵わないっての知ってるし。

で、しばらくずーっと黙ってたらさ、あの女すげー睨んでこっち来て、
もういいって言って、俺のケータイ奪うと、
パキッって真っ二つに折りやがったんだよ。
一瞬、はぁ?って思ったけど、流石に俺もキレてさ、
その折れたケータイ、あの女の頭にぶっ刺してやったよ。



back