Short Story…





Short Story No 140
MUSIC



街の喧騒避けるため、僕は耳に栓をする。
音で耳に栓をする。

ノーミュージック、ノーライフ。
どこかで目にしたキャッチコピー
耳から音がこぼれても、別に全然気にしない。
お気に入りのアーティスト。
好きなジャンルに、好きな声。
流行、ランクの赴くままに、僕は音に酔いしれる。

これでも我慢してる方。
ホントは歌い騒ぎたい。
大きな声で、叫びたい。

下品で粗野で汚い声と、陳腐な会話にウザイ勧誘。
僕はそれを避けるため、音で耳を楽しませる。
幸い音に飽きやしない。
何千曲も、ストックあるし。

その何千曲の一曲が、今の疲れを癒してくれる。
その何千曲の一曲が、今も耳で木霊する。

そして僕は奪われる。
物事を考える力、時間、注意力。
そして、命なんてものをさ。

別にいいだろ、そのくらい。
好きな音を、聴けるんだから。



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