Short Story…





Short Story No 156
心労



俺は思うんだけど、
人間ってのは毎日、何かしらのストレスを溜め込んでるじゃないかな。

毎日が楽しくて人生が薔薇色。
そんな奴本当にいるんだろうか?
俺は、楽しいことなんてほとんどない。
嬉しいと思うこともない。
人生なんて暇潰しとしか思えない。
飯なんてどうでもいいし、味も気にしない。
出されたものを食べるだけ。

俺は両親と同居してるから、いつも嫌味を言われてた。
小言だって、毎日言われれば頭にくる。
それだって、大きなストレスのはずだ。

毎日が不安で明日なんて考えたくない。
半年後、一年後。
遠いようですぐに訪れる未来。
何をすればいい?
努力したって程度が知れてる。
努力したって結果が見えてる。

何かしなきゃいけない?
その何かってなんだよ。
問題が多すぎて、曖昧すぎて、考え出すと苛々してくる。

それに、問題や心労の原因は思想だけが原因ってわけじゃない。
病気や怪我だってそう。
この前、親父が入院した。
それが今の心労。
自分では、どうすることもできない心労。
母親は泣くし、その顔を見るたび思う。
あの時、殴らなきゃよかったなって。

第一、親父が死んだら、
どうやって生活費を払えばいいのか。
その心配が、今、一番の心労。



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