Short Story…





Short Story No 160
ドーナツ



ミスドで、隣に座ってきた三人の女の子。
同じ制服で、ドーナツは一人二つ。
席に座るなり、一番口が大きい子が話を始める。

特に変わった話題じゃなく、
学校の話や、友達の話、芸能人の噂、
別に大した話題じゃない。どこにでもある話。
誰もがするようなそんな話。

ドーナツを一口かじり、また別の話題。
誰々のことをどう思う?とか、そんな話。

しばらくして、バイトがあるからと、
一人の女の子が席を立った。
笑顔でまた明日と手を振る残りの二人。

口の大きい子が、また話を始める。
今度の話題は、さっきまで一緒にいた子のことが、
実は大嫌いって話。

顔が、話し方が、態度が嫌い。
調子に乗りすぎ、いるだけでウザイなんて話。
もう一人の子も、神妙にうんうんと頷き、
私もそう思ってただって。

もし、別の子が先に席を立ってたとしても、
残った二人は、あとの一人の悪口を言うんだろう。
だってその三人は、顔も髪型もメイクも、話し方までそっくりで、
ドーナツの種類だって同じだったから。




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