Short Story…





Short Story No 163
向かいの窓



時間は夜の11時過ぎ。雨音が続いている。
静かな雨音でなく、豪雨といっていい。

今週に入って4日連続。
今日はせっかくの休みだったのにどこにも行かなかった。

あぁ、今日も部屋の電気を点けっぱなしだ。
対面、向かいの部屋の奴。

寝る時は真っ暗な方が好きなのに、
向かいの部屋のせいで、カーテンの隙間から赤い光が射し込んでくる。

もう1週間になる。なんで電気を消さないんだ?
なにか点けたままじゃないといけない理由でもあるんだろうか?

ただ単に消し忘れてるだけとか?
以前は消してたから、多分違うだろうし。

暗闇が怖いとか?
まさかね。

管理会社に言っても無駄だろうな。
光以外の迷惑を感じたことは無いから。

カーテンを少しずらし覗いてみる。赤いカーテンが見えた。
外には洗濯機。干してあるのはカットソーに下着、タオルそして布団。

5日前洗濯した時も、向かいの洗濯物は干されいた気がする。
気のせいだろうか?

そもそも、外は豪雨だっていうのに、
どうして洗濯物を取り込まないんだろう?

まさか、急な発作とかで死んだとか?
いや、多分電気をつけたまま出かけているだけだろう。

きっとそうだろう。
そうであってほしいと思う。

ふと、不穏な考えが浮かぶ。
自分が急に死んだとしたら、誰か見つけてくれるだろうか?

きっと、見つけてくれないだろう。
腐敗臭でもしない限りは。



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