Short Story…




Short Story No 181
正月太り



久しぶりに実家に帰った。
お正月だし、たまにはいいかなと思って。
なんとなく気が向いただけといったらそれまでの話なんだけど。

彼氏はいるのかとか、結婚はまだかとか、ちゃんと食べてるのかとか、
いちいち詮索されるのが嫌だったし、心配されるのも嫌だった。

私が帰った日は新年の朝。
父は送られてきた年賀状を見てたし、母はおせち料理をテーブルに並べてた。
母の作る料理は、いつも凝ったものが多くて、
それは、今回のおせち料理にしたってそう。
私が帰るって知らせてたからかな。

三段重のそのおせち料理は、百貨店で売ってる有名店のものと比べても遜色ないくらい。
本当に豪華だった。

父親が新年の挨拶をし、三人でそのおせち料理を食べ始める。
私も箸を伸ばし、沢山の料理を口に運ぶ。

お雑煮を食べ、お煮しめを食べ、
大きな海老を、蟹を、お刺身を、数の子を、
昆布巻きを、黒豆を、玉子焼きを食べた。
お腹いっぱいになったから、
二階に上がりトイレで、すべて、吐いた。



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