Short Story…




Short Story No 230
愛の値段


百貨店の地下街。
買い物をしている親子連れ。

主婦らしき女性、カートにカゴを載せ刺身を選んでいる。
連れている子供は女の子。
女の子は退屈なのか、お菓子のコーナーに行きたいとせがむ。
女性は、仕方ないと言った調子で了承。
女の子は嬉しそうに駆けていく。

女性はいくつかのパックを手に取り商品を吟味。
その中から賞味期限間近で安くなった商品を手に取り、
安いわねと独り言。

今日の晩御飯だろうか。
女性は、その賞味期限間近の刺身と、
その隣の高額の刺身を手に取りカゴに入れる。

あの人にはこっちで十分。
あと何か買う物あったかしら?

店内のBGMに紛れ、
そんな独り言が聞こえた。




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