Short Story…




Short Story No 235
違和感


甲高いブレーキの音。
勢いよくタイヤが砂利を削り、
公園の砂の地面にはブレーキ跡。

自転車に乗った少年は得意気。
後から来た少年達も、最初の彼の様に、
勢いよく後輪を擦らせる。

少年達が持っているのは、
サッカーボールや野球のバット。
赤や青、黄色にピンクといったカラフルなプラスチック製のバット、

今の子供でもサッカーや野球とかするんだな。
そんなことをぼんやり思ってた。
ちょっと意外だった。
DSやPSPで遊んでる子供を良く見かけていたから。

別の場所に行こうと思い、立ち上がったところで、
若干の違和感を覚えた。
なんだろう?歩きながら考える。

少し歩いた所で違和感の正体に気付いた。
グローブが、ない。
だけど、グローブは必要ないことに気付いた。
ボールは柔いのだし、少年達は野球をするためにきたのではないから。

最初の少年が、大声でなにやら叫び、
その声を合図に少年達が一人の少年を囲み、
全員でバットで殴り始めた。




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