Short Story…




Short Story No 254
都合



またいつもの自慢話?
うんざりしながら、笑顔で相槌を打つ。
楽しいと思える会話は少しだけ、
後はずっとつまんない話。
最近はいつも、仕事の愚痴とか上司がどうとか、
世の中の不満とか、元彼がなんてそんな話。
元彼のくだりなんて、もう何年も昔の話なのに。

この子は、いつも自分のことしか話さない。
この子にとって私は、きっと都合のいい憤りの捌け口なんだろう。

たまに言ってみたくなる。

ねぇ、
そんなだから彼氏ができないんじゃない?
言いたくても言えない。
私だって偉そうなこと言える立場でもないし。

食事は食べ終わったのに
話は終わりそうもない。

もう縁、切っちゃおうかな。
そう思ったこともあるけどできなかった。

この子のせいじゃない。
私が弱いから。
はっきりと断ることができないから。
他にも色々理由はあるけど、
縁を切れない一番の理由は、私には友達がこの子しかいないから。




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