Short Story…




Short Story No 257
大雨の日



雨が降り続いている。
天気予報では雨なんて言ってなかったのに。
少し前から突然の大雨。
遠くの方で雷も鳴っているみたい。
音は聞こえないから、きっと遠い所でゴロゴロと雷鳴を響かせているんだろう。
稲光がカーテンの隙間から漏れる。
最悪。
これからデートだっていうのに。

雨ってだけで憂鬱な気分になる。
メイクも崩れるし。
待ち合わせの時間が迫っているのに、
私といえばさっきお風呂から上がったばかりで着ていく服も決まってない。
壁にかけてある姿見で洋服を合わせるけど、なんか違う。
買った時はすごく似合ってた気がしていたのに。
ドタドタと上の方から足音。
最近越してきた2階の人は足音がすごくうるさい。
最悪。
1階なんかにしなきゃよかった。

雨は止みそうにない。
タクシーで出かけようか。
雨の音が強くなった気がする。相変わらず雷も鳴っているみたい。
白い光が何度も部屋を照らす。
どのくらい雨降っているんだろう。
いっそのこと、遅れるって先に連絡しておいた方がいいかな。
窓に近づいてカーテンを少し開け空の様子を眺めた。

空は思ったとおり土砂降りの大雨。
目の前にはカメラを持った男。




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