Short Story…




Short Story No 259
寸前



「よし、こんな感じでいいかな」
女は包丁をまな板の端に置き、
フライパンの中の料理を大皿に移しその皿をテーブルに。
鍋から吸物を、炊飯器からご飯を、冷蔵庫から惣菜を食器に移し、
テーブルへ運び、隣の部屋で漫画を読んでいる男を呼ぶ。

TVを見ながら夕食。

夕食を食べ終え、女は冷蔵庫の中を覗いた後時計を確認し、
男に明日の食材がないからスーパーに行くことを告げる。
どうしていつも確認しないんだと男が子馬鹿にしたような口調で責める。
ごめんと謝りながらも、慌しく出かける用意をする女。
男はTVを見ている。
女はそれじゃ行ってくるから食器を洗っておいてと男に頼む。
男は面倒くさそうに、はいはいと頷く。
ちゃんと洗っておいてよと女。

行ってきますとドアを開ける女。
男はTVの方を見たまま返事をしない。
女は一瞬眉間に皺を寄せるも、笑顔で部屋を後にする。
渡り廊下を歩きエレベーターの前、女は思う。
今回は、うまくいくかな。

うまく落ちて刺さってくれればいいんだけど。




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