Short Story…




Short Story No 265
明日着る服



クローゼットを開けて思った。

困ったな。
明日着ていく服がない。

さすがに今日と同じ服で会うわけにもいかないだろ。
この服、特徴的すぎるし、あの子お洒落だし。
かといって、今から服を買いにいこうにもさすがに遅すぎる。

もっと地味な服着ていけばよかった。
いや、こんなことなら今日試着したあのジャケット買っておけばよかったか。

明日の約束キャンセルしようか。
でもなぁ、せっかく店も予約してるのに。

そうだ、約束の時間を遅らせて、
洋服を買ってから家に戻って着替えれば十分間に合う。
面倒だけど、仕方ないか。
でも、俺、優柔不断だからなぁ、いい服すぐ決まるかな。
ジャケットは今日見たやつでいいにしても、パンツどうしよう。
まてよ、下着も買わないと。
そもそも、早起き苦手なんだけど起きれるだろうか。

早く寝ないとなぁ。
でも、部屋の掃除もしないと。
こんな部屋見られたら引かれるどころの騒ぎじゃないし。
でも、時間ないなぁ、家に呼ばなければいいか。
よし明日帰って片付けよう。

それにしても、何でこんなに面倒なことが起こるんだろう。

部屋はゴミだらけだし、
TVは床に叩きつけられてるし、
飾ってあったポスターも破られてるし、
壁紙のクロスなんて、大きく×印に切られている。

それにしても、普通、洋服全部切るか?
何着あったと思ってるんだよ。




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