Short Story…




Short Story No 267
何階ですか



近くのディスカウントストアで、
ペットフードを買った。
ちょうどセール中だったから2袋。
後は細々した化粧品とかお菓子とかそんなのも。

家の近くにできた新しいその店は、24時間開いていてとても便利。
近いし夜遅いし面倒だったから、
ラフな服装のまま化粧もせずに出かけた。
ただ帽子とサングラスは必需品だ。
化粧してないときの顔はコンプレックスだしあまり見られたくない。

抱えていた荷物を一旦床に置き、ポケットから鍵を取り出し、
エントランスの鍵を開けた。

閉まりかけのエレベーター。
急いで近づくと中に男がいた。
なんだか気味の悪い男。
汚い服、陰気な顔、大きなスーツケース。
肘でエレベータのボタンを押そうと目を向けると

「何階ですか」

そう尋ねられた。
陰気な顔に一瞬の笑み。
なんだか怖くなって、忘れ物を装い扉が閉まる前にエレベータを降りた。
考えすぎだろうか?
点灯していたのは13、このマンションの最上階。
13階は1室、そして私の部屋だ。






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