Short Story…




Short Story No 271
子供たち



コンビニの駐車場から出ようとした時、
子供を轢きそうになった。

心臓が止まるような思いとはこんな心情なんだろう。
本当に危なかったと、長いため息をもらす。
子供は、何かヒーロー物の人形を掲げながら、
飛び跳ねるように駆けていった。

つかの間の安堵と同時に腹が立ってきた。
その子供の後ろには、母親が悪びれる様子も無く、
携帯電話で楽しそうに誰かと話している。
ベビーカーを押しながらゆっくりと俺の車の前を通り過ぎる。

俺は、遠ざかるその母親を睨みつけ、
そして、聞こえないように悪態をつきながらアクセルを踏んだ。

子供は、もう一人いた。






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