Short Story…




Short Story No 272
夜泣き



子供が泣いている。
その泣き声は小さくかすかに聞こえる程度だったが、
その声で目を覚ました男は、照明のスイッチを点け、
紙おむつとベビーパウダーを手に子供のベットに近づく。

深夜にもかかわらず男は笑顔で、
泣いている子供の長い髪を優しく撫で、
涙とよだれを拭きながら、優しく猫なで声で語りかける。

二人目ともなると慣れたもので、じたばたする足をさすり
子供のオムツを替え、ウェットティッシュで拭い、
ベビーパウダーを優しく擦りつける。

子供は泣き疲れたのかぐったりとしている。
その頬に軽くキスをした後、
男は、隣の部屋に戻り、使用済みの紙オムツをビニールで包み縛ると、
ゴミ箱に捨てた。

洗面所で手を洗ってているとまた泣き声が聞こえてくる。
男はタオルで手を拭きながら、子供が喉が渇いているのだと気付き、
アップルジュースのペットボトルを手にベットに近づく。

男は人差し指を自分の口の前に立てた後、ペットボトルを枕元に置き、
優しく語りながら、子供の猿ぐつわをゆっくりと解く。






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