Short Story…




Short Story No 275
眼鏡の男



好きだって告げた。
まだ会ってもいないけど。

少しの間があって返事。

私も好きだよ、だって。
まだ会ってもいないのに。

顔写真のデータを送ってもらった。
口元は隠してあったけど、
流行りのかわいいって感じじゃなくて美人なタイプ。
僕は少し嬉しくなる。

僕の写真を送ってと言われたから、
僕は少し前に交わした会話のログを思い出す。
たしか、眼鏡フェチなのって言ってた。
前の彼氏も眼鏡だったって。

今はコンタクトにしたから掛けてはいないけど、
僕はちょっと前まで眼鏡を掛けていた。
一番人気だって店員が言ってた眼鏡。

ちょっと待っててと画像データから写真を探し、
僕は眼鏡をかけた他人の顔写真のデータを送った。

好みのタイプだって。
だろうね。
眼鏡以外、僕とは似ても似つかないけど。






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