Short Story…




Short Story No 277
3人がいた



大きな笑い声に気付き振り返ると、3人がいた。
その3人はバイクに乗っていた。
それぞれがではなく、3人で1台のバイクに。

乗っていたのは、よく見るスクーター。
メーカーは多分、HONDA。
紺色のブレザー、明るい髪。
後で近くの高校の制服だと知った。

風の音で互いの声が聞こえないのか、
大きな声でなにやら楽しげに喚き、そして笑う。
話題まではわからない。
きっと本人達もよくわかっていないだろう。

砂利を弾き飛ばしながら、バイクはスピードを上げ、
僕の隣を、一陣の風のように通り過ぎていった。
残ったのは、かすかな香水の匂い。

3人がいた。
夕日の中、どこかへ消えていった。

3人がいた。
今朝は、見つけたと言うべきか。
新聞記事の中に載っていた3人の記事。
3人は、もう2人になってしまっていたけど。






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