Short Story…




Short Story No 278
素敵な部屋



いい部屋だね。
たとえお世辞だとしても、
そう言ってもらえるのはすごく嬉しい。

家具には随分お金もかけてるし、
くつろいでもらえるようにって私なりのこだわりもある。

少し前からインテリアの本とか読んで勉強してるし、
色調なんかも工夫してコーディネイトしてるから、
センスがいいとかお洒落だとかよく褒められる。

この前仲良くなった友達も、
この部屋すごくかわいいねって褒めてくれたけど、
あまり嬉しくなかった。
だって、かわいいって本当はそんなにかわいくないってことだから。

その友達の部屋は、私の部屋よりも広いし内装も豪華。
家具も私のよりもずっと高級そうなものばかりだし、
こんな部屋を見た時はいつもちょっと落ち込んでしまう。

私も、もっとがんばろうと思って、レイアウトをいじったり、
家具屋さんのページとか見てたら、いつの間にか深夜になってた。

そろそろ眠らないと。
あの家具、明日買おうかな。
きっとこの部屋によく似合うはず。

ログアウトしてノートパソコンの電源を切る時、いつも思う。
私の部屋も、こんな素敵な部屋ならいいのになって。






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